1.次第にわかってきた自分のやりたいこと

私は、大学4年生のころの就職活動で、「海外に駐在してグローバルな仕事をしたい」「海外と何らかの関わりがある仕事」「世界で戦えるビジネスマンになる」という観点を大切にしていました。そして、何とか総合商社から内定を得られました。父親も商社マンで、中央アジアに駐在していましたことで、自分も海外志向が強かったのだと感じています。幸いにも入社後は上司や同僚にも恵まれ、厳しくも成長できる環境で充実した毎日でした。自分のように恵まれた環境で働いている人は多くないという気持ちを持つ一方で、しばらくしてから自分の心の中にあった思いに気付きました。それは志といっても良いかもしれません。商社マンたる者、携わった産業と共に運命を共にすることを教えられてきましたが、配属された「エネルギー・インフラ」の業界にどうしても愛着が湧かなかったのです。これは商社で働く上では致命的でした。産業の発展に寄与したくても、気持ちが付いていかないのです。どうしても父親が属していた「鉄鋼」分野に携わりたくなったのです。商社ではなかなか異動は実現しません。私のようなケースの場合、どうしても外に活路を見出すことになります。そこで、退職して新たな会社に就職することを決断したのです。

2.もっと幅広いフィールドで力を試すための退職

私は、入社から一貫して製薬系の専門商社における海外営業に携わっていました。海外営業の業務としては、顧客や工場、研究所の職員と折衝や交渉をする中で、契約を取りまとめ、主にヨーロッパにおける原料の調達にこぎつけるまでを担当していました。しかし、専門性が高い分幅の広い産業に携われないことに不満を持っていました。それは懸念といってもよいかもしれません。30歳になったときに製薬関連の知識しかなくて大丈夫なのかということです。そこで、さらに投資や事業の運営そのものにアプローチできる領域で力を発揮できる、いわゆる総合商社に興味を持ち転職を決断しました。

3.自分の志を貫くための転職

大学卒業後にメーカーのエンジニアとして海外勤務した後に、タイの現地採用枠にてエネルギー系の専門商社に入社し、そのまま現地の大手法人への営業マネージャーの職に着任しました。非常に恵まれた勤務条件であったものの、これまでのように直接的に製品の改善プロセスに関与することが難しい立場にあることに歯がゆい感情を持っていました。そして、その気持ちが次第に強くなったことから、最終的にはもう一度メーカーに戻る決意をしました。

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